スイス(ジュネーブ)へようこそ

(レマン湖:高さ140Mのジェット噴水)

1 スイスの概要

【国 名】
スイス連邦、Swiss Confederation ・・・ スイスは23の州(canton:カントン)から成り、それぞれの州が、自治権(自分たちの州で政治を行う権利)をもっている。
【国 土】
面積 4万1,293平方km 日本の0.11倍。九州よりやや狭い
位置 北緯45〜48度、
東経5〜11度
北海道より北にある
ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインの5カ国と国境を接し、国土の6割がアルプス山脈である
人口 778万人
うち外国人22%
ジュネーブ市19万
* ジュネーブ州の在留邦人(日本人)は約1,400人です。
【歴 史】

スイスが神聖ローマ帝国の支配下にあった時代、オーストリアのハプスブルグ家の圧政に反対して、スイス中央部にある3つの州が同盟を結び、独立・自由獲得に立ちあがったのは1291年のことです。以後、同盟8州になり、この同盟を核として徐々に加盟する州が増え現在に至っています。現在は26州(うち6州は半州)からなる永世中立国です。(簡単には説明できないので、興味があれば調べてみましょう。)

【宗 教】

宗教的にはキリスト教の文化圏であり、カトリックとプロテスタントの信者が国民の45%ずつで拮抗し、スイスの2大宗教となっています。また、ここジュネーブはカルヴァンの宗教改革発祥の地として有名です。

【文 化】

ゲルマン派(ドイツ語圏)とロマン派(フランス語圏)の二つに分かれていると考えるとわかりやすいです。文化人、芸術家には、ハイジの作者ヨハンナ・スピリ、社会契約論のルソー、教育者のペスタロッチ、画家のクレー、彫刻家のジャコメッティーがいます。最近では、テニスのフェデレールも有名です。

ジュネーブには歴史的人物が3人います。カルヴァン、ルソーと赤十字のアンリ・デュナンです。その自由な思想の流れで、現在100カ国以上の代表部があり、いくつもの国際機関で会議が開かれています。また、最近重要性を増しているNGOの団体事務所も100近くあります。

スイスは文化に対する意識は高く、芸術関係は重んじられています。博物館や美術館、オペラハウスは各地にあります。映画館もジュネーブだけで40館位あります。

【言 語】

ドイツ語(63.7%)、フランス語(20.4%)、イタリア語(6.5%)、ロマンシュ語(0.5%)の4つの言語があります。ジュネーブはフランス語圏(スイスロマンド)の中心地であります。また、ドイツ語はスイスドイツ語で、ドイツ語とはかなり違います。学校で標準ドイツ語を教える時に、小さい子は外国語のように感じるそうです(ドイツ語圏の話)。

したがって、標記は独・仏・伊の3ヶ国語されていることが多いです。また、スイス国の国際記号は、CHで、ヘルベチア連邦という意味です。祖先がヘルベチア系民族で、いろんな言語に配慮して、国内でのスイス国の表示にはこのラテン語が使われています。

ジュネーブでは、観光に関係する交通機関などは英語が通用しますが、生活に直接関わる人達や、細かい話になるとフランス語しか通じないと思った方がよいでしょう。

【気 候】

湿潤な西岸海洋性気候と大陸性気候の双方の影響を受けています。盛夏でも湿度が低く空気が乾燥しており、昼夜の気温差が大きいのです。7月が25℃前後、1月が0℃前後でしょうか。市街地で雪が積もるのは、年1〜3回程度です。また降水量は少なく、傘を持たずに濡れて歩く方も多いです。

日照時間は、かなり差があります。夏は夜10時でも明るく、冬は4時には暗くなります。夏は北海道の感じで、冬は北陸のような1日中曇よりとした天気という所でしょうか。春や秋の天気は雨・晴・曇りと1日の内で変化する日が多いです。

【服装等】

夏は半袖の方も多いですが、しかし、1日の寒暖の差が大きくカーディガン等の上着を持っている人をよく見かけます。冬は部屋の中では上着1〜2枚で十分です(集中暖房が多い)。ただ、一歩外へ出ると厚手のコートが必要です。手袋やマフラーももちろん必要です。春はいろいろです、半袖の人がいると思えば隣で冬コートを着ている人もいます。結局は、一年を通してこまめに着たり脱いだり柔軟に対応することが大切ということです。

山は3千m以上の山ばかりですので、夏でも防寒着は必要です。また、紫外線が強いので、サングラスや紫外線防止クリームも必需品です。

【治 安】

近年、ジュネーブの治安状況は悪化しています。特に補習校のあるプランパレ地区の治安が悪化していることから、保護者の皆さまへ注意を促し、お子さんの登下校時の安全確保を呼び掛けています。麻薬常習者が夜間たむろしている地区もあります。いろんな外国人が流入しており、犯罪件数が増加傾向にあります。警察の統計によると外国人による犯罪は全体の8割近くになっています。スリや空き巣も増加しています。

【防 犯】

アパートなどは、鍵がなければ建物に入れないシステムが多く、セキュリティ面は良いでしょう。しかし、自分の身は自分で守ると言う心構えで、他人にはスキを見せないようにすることや、危険と感じる場所には近寄らない等、日本の大都会と同じような注意が必要です。ただ、同じと言っても、ここは言葉が十分通じない外国です。ですから、日本以上に気を付けています。
警察117番、消防118番、救急車144番(有料です)

【政 治】

スイスは、カントンと呼ばれる主権を有する23の州によってできている、連邦国家です。世界的にもめずらしい国民投票による直接民主主義を行っています。

立法(国会)は、各州のサイズ(大きさ)に比例して選出される200人からなる国民議会(下院)と、1州あたり2人(半州1人)計46人からなる全州議会(上院)からなり、4年ごとに国民によって選出されます。議員だけをやっている人はいません。議員一人一人は、きちんとした本当の職業をもった人たちです。

内閣(連邦内閣)は、4つの大きな政党、急進自由党、キリスト教社会民主党、社会民主党、スイス人民党から、それぞれ2対2対2対1の割合で7人が「連邦評議員」(事実上の大臣)に選ばれ構成しています。この7人の大臣の中から、1年ごとの輪番制(順番)で大統領が決められます。

【経済・産業】

日本とよく似ています。資源が無くハイテクはトップレベルです。世界のトップ企業も多いですが(特にハイテク、医薬品関係)、生産地は海外で本社のみの会社がほとんどです。EU非加盟なので、各国との調整が大きな課題となっています(ユーロ諸国と違い、各国毎の規制をクリアーする必要がある)。

金融関係が有名ですが、確かに銀行には金の延べ棒がゴロゴロしていると言われています。世界一といわれるUBSとクレディスイスという銀行が二大銀行です。ただ、これ以外にプライベートバンクが多数あり、世界中のお金が集まってきています。

【祭り・行事等】

ジュネーブの学校での長期休みは4回あります。パーク休み(復活祭)が、3月末〜4月中旬に2週間。夏休みが7月初旬から8月下旬まで8週間。それ以外に秋休み(じゃがいも休み)と2月休み(スキー休み)が、10月と2月それぞれ1週間あります。

ジュネーブの大きな祭りは、8月初めの建国際と12月のエスカラード(昔ジュネーブを守るために住民が協力して勝利した祝い)です。建国祭は、湖上花火(ジュネーブにあるレマン湖で行われる花火)が素晴らしいですし、エスカラードは、たくさんの人が、中世の民族衣装を着て、街中を行進します。これも迫力があります。どちらもかなりの人出で、身動きができないほどです。

2 スイスにおける教育事情

【ジュネーブ補習授業校】

ジュネーブに日本人学校はありません。在外教育施設(外国にいる日本人のための学校)は、補習授業校となります。補習授業校とは、普段は、スイスの学校(現地校)かインターナショナルスクール(国際学校)に通っている子が、1週間に1日だけ、この学校に来て勉強しています。

幼児部(4才)から高校部(18才)までの子どもたちが通学しています。勉強の内容は、国語と算数を日本と同じ教科書を使って学習しています。日本の授業時間の半分か3分の1の時間で、教科書を全部終わらせなければいけないので、宿題がたくさんあります。日本で学習している君たちは、宿題が多いなんて言えなくなりますよ。ジュネーブの子どもたちに負けないようにがんばってください。

【現地校・国際学校】

国際都市ジュネーブだけに外国人が多く、それだけに公立(現地校:日本でいうと君たちが通っている学校と同じです)であっても受入態勢も整っています(日本の学校も外国人をあたたかく受け入れるようになってきました)。国際学校では100カ国以上の子ども達が在籍しています。現地校の教育制度は州によって異なり、義務教育期間も8年の州もあれば9年の州もあります。

ジュネーブ州では、満6歳から15歳までのすべての子どもは州法によって公立もしくは私立の学校で教育を受けることが義務づけられています。公立では、満4・5歳の任意幼稚園(2年間)に始まり、義務教育期間の小学校(6年間)中学校(3年間)があり、卒業後は職業訓練学校、高等学校、高等専門学校に分かれていきます。中学校は選択履修制で、卒業後どの学校へ行くかによりコースが違います。したがって、中学校在籍の段階で大学へ行くのかどうか選択する必要があり、また選考テストもあります。

国際学校はいくつかありますが、日本人の場合の多くは次の2つの学校へ入っています。ひとつはジュネーブ・インターナショナルスクールで計3つの校舎があります。それぞれ勉強の内容が微妙に異なっています。住む地域により決めておられるようです。もうひとつは、カレッジ・ド・レマンです。こちらは1校です。どちらも幼稚園から高校まであり、日本人の数は10番目程度だそうです。

インターとはいえ、日本人が多数通っていますし、英語か仏語の抽出指導も行われるので言葉の心配はありません。ただ、授業料等が年200万円程度かかり、とても高いです。

3 現地生活

【習慣(マナー)】

騒音には厳しく、アパートでは夜10時から朝7時までシャワーはできないと考えた方がよいでしょう。夜、お風呂に入れないで、次の朝入ったことが何度もあります。また、日曜日は、キリスト教の休息日との考えから、大きな物音を出さずに静かに家で過ごすことが普通になっています。日曜大工や掃除等の作業をしていると変に思われます。

スイス人は自他ともに冷たいと認めているようで、はっきりと物事は言いますし、自分の担当の仕事以外はやってもらえません。また、日本のようなサービス精神はありませんので、仕事を頼んだらのんびり構えて待つ姿勢は必要です。

【銀行と通貨】

EU諸国ではユーロになりますが、スイスはスイスフランです。Frsですが、CHF、SFrとも書きます。紙幣は千・二百・百・五十・二十・十フラン札があります。硬貨はサンチームと言って(1フラン=100サンチームです)、50・20・10・5サンチーム硬貨があります。また、5・2・1フラン硬貨もあります。

銀行は金融王国だけに、自動支払機も日本と同じで各所にあり、しかも24時間OKですので、現金を持ち歩かなくても不自由はありません。

【物価】(物の値段など)

ジュネーブは世界でも名高い物価高(いろいろな物がとても高い)です。東京と同じと考えてよいと思いますが、競争が少ないだけに安売りが少なく、現実には東京より高いです。

(例)マクドナルドで、○○セットを買うと、日本の3倍はかかります。

【日常の買物】

ミグロやコープというスーパーがあちこちにあります。いわゆる皆さんの近くにあるスーパーマーケットと同じです。食料品・日用品・衣料・文具等ほとんどの物はここで手に入ります。大きな店となると、専門店等がいくつも入った大ショッピングセンターとなっています。

【営業時間等】

日曜日に開いている店はレストランを含め、(駅周辺を除き)ほとんどありません。月曜日も午前中はお休みの所が多いようです。通常は午後6時半くらいまでで、木曜日は午後9時まで開いている店もあります。土曜日は午後6時に終わる所がほとんどです。会社等は土・日がお休みですが、平日も銀行も含めお昼の2時間(12:00〜14:00)は閉まっている所がほとんどです。

また、レストランは昼の二時間とあとは夜の7時からしか開いていません。サンドウィッチ・ファーストフードを除き、温かいものを食べたい時は、時間に注意しなければ食事にありつけなくなります。

【飲料水】

水道水は石灰分が多いですが、飲料には全く問題ありません。ただ人によってはミネラルウォーターを購入されている方もいます。私は生水も飲んでいますし、料理のために水を購入したことはありませんが、今のところ何の問題(お腹を悪くしたり、気持ちが悪くなったり)もありません。しかし、住む地域によって水道水の石灰の量が違うようで、蛇口や排水溝が白く変色している地域もあります。

【交通事情】

トラム(市電:路面電車)や市バスの路線が発達しており、車なしでも十
分過ごせます。交通量は人口の割に多く、ラッシュ時にはかなり渋滞します。スイス人の交通マナーは大変良いと思わ
れます。しかし、陸続きだけにフランスやイタリア等の車も多く、全体的には注意しなければいけません。ただ、道路事
情がよいので、日本よりはるかに運転しやすいでしょう。

交通システムは右側通行で、左ハンドルです。左折等の際に注意することは大切です。

基本的な速度は高速で120kmで市街地で50km、その他は80kmです。標識は世界的にほぼ同じです。スイスは進行方
向別信号が多いので見方がむずかしいです。あとロータリー式交差点(四つ角に、日本は信号がありますが、スイス
は、四つ角の中心に円があり、その円を回るようにして、行きたい方向に進みます。信号はありません)が多くありま
す。慣れると日本より便利です。

また、信号は日本と違い発進時も黄色が点滅します。注意することは、日本では赤になる前に黄色になりますが、スイ
スではもう一つ、発進(青)する前に黄色になります。ですから、黄色で反対側の車が進んでくるので気を付けないとい
けません。また、自転車やバイクには十分注意が必要です(道の真ん中を平気で走っていることを多く見かけます)。
それと、方向別信号が多いためか、ウィンカーを出さない車が多いのでこれも注意が必要です。

スピード違反、駐車違反、信号無視の取締りやカメラはかなり増えてきています。違反すると、高額な罰金請求書が届
きます。